クロスマージンモード は、Bybitでは、デフォルトのマージンモードです。分離マージンモード は、ポジションに差し出した証拠金がアカウント残高から分離されるため、自動マージン補充(AMR)は、分離マージンモードでのみ使用できます。 Bybitでは、証拠金は、利用可能残高からポジションに自動的に追加されません。つまり、このモードでは、強制決済 によって失う最大額は、かかるポジションに差し出した必要証拠金 の額になります。
分離マージンモードは、投機的なポジションに役立ちます。証拠金を分離することにより、ユーザーは市場が不利な方向に向かっている際には、最大損失をそのポジションに制限することでリスク管理を強化することができます。
AMRは、トレーダーが強制決済を回避するために、現有ポジションに証拠金を自動的に追加する機能です。 AMRを有効にすると、証拠金レベルが維持証拠金 レベルに近づくたびに、システムによって使用可能残高から証拠金が補充されます。この時に追加される金額は、このポジションで現在使用されている必要証拠金と同額です。利用可能残高が必要証拠金額に満たない場合、残高すべてが証拠金に補充されます。ポジションに証拠金が追加されると、清算価格がマーク価格 から離れることにお気付でしょう。
AMRをオン/オフにするには、[ポジション]欄の[自動的に証拠金追加]にて切り替えを行います。
*注意:
AMRが有効になっている場合、ポジションのレバレッジは最小1倍までです。利用可能証拠金があったとしても、ポジションがすでに1倍のレバレッジである場合、それ以上の証拠金は追加されません。
例:自動証拠金補充プロセス
トレーダーは、USDT契約で10000 USDTの利用可能残高を保持しています。 BTCの現在価格は8,000 USDTです。10倍のレバレッジで必要証拠金4000 USDTを使用して、サイズ5BTCのロングポジションを建てました。維持証拠金率が0.5%なので、強制決済価格は7,240 USDTと計算されます。残りの利用可能残高は6000 USDTになります。
マーク価格が7,240 USDTに下がり、清算価格に達すると、自動証拠金補充機能が発動され、ポジションの強制決済の回避を試みます。利用可能残高を使用して証拠金に最大4000 USDT追加されると、利用可能残高は2000USDTになります。新たな強制決済価格は6,440 USDTになり、このポジションに対して計算された必要証拠金は8000 USDTになります。
BTCUSDTの価格が下がり続け、更新された清算価格6,440 USDTに達すると、自動証拠金補充機能が再び発動されますが、今回は、利用可能残高2000 USDTすべてがポジションに補充されます。ポジションの新しい清算価格は6,040 USDTになります。
ただし、マーク価格が6,040 USDTに達した場合、利用可能残高がないため、ポジションの強制決済を回避するための自動証拠金補充機能は発動せず、ポジションは最終的に強制決済されます。
*注意
1)強制決済が開始されると、システムはまずアカウントの保留中のアクティブな注文をすべてキャンセルして、利用可能残高を増やし、これを使用して強制決済を回避しようとします。
2)上記の計算には取引手数料は含まれていません。
例:クロスマージンモードとAMRをオンにした分離マージンモードの違い
利用可能残高に基づいて清算価格が計算されるクロスマージンモードとは異なり、AMRが発動されるとトレーダーに通知が送信されるため、トレーダーはポジションをより適切に管理する時間を得ることができます。
注意
*分離マージンモードでは、ロングポジションとショートポジションはともに独立しており、両方向にて強制決済が発生する場合があります。